
遺産分割
2014/12/01
遺産分割について解説します。
相続では、被相続人(死亡した人)の遺言が重要になります。
遺言は財産を誰にどれだけ渡すかを意思表示するものです。
相続人はその内容に従って遺産を分けることになります。
問題は遺言が残っていないケースです。
現実には遺言なしで相続に至ることは多くあります。
この場合、相続人は遺産の所在や価値を調べ、どのように分け合うかを話し合いによって決めます。
これを、「遺産分割協議」といいます。
遺産分割は遺族同士が仲たがいしないよう慎重に協議する必要があります。
では、遺産分割はどう決めればいいのでしょうか。
一般的には法定相続分に近い分割が多いです。
法定相続分とは、民法が規定する遺産の取り分のことです。
【法定相続分】
相続人 | 法定相続分 | |
第一順位 | 配偶者 と 子 | 配偶者1/2 子1/2 |
第二順位 | 配偶者 と 直系尊属 | 配偶者2/3 直系尊属1/3 |
第三順位 | 配偶者 と 兄弟姉妹 | 配偶者3/4 兄弟姉妹1/4 |
法定相続分は相続人の構成により決まりがあります。
相続人が配偶者と子供の場合、配偶者は2分の1を受け取り、残りを子供の数に応じて均等にわける、といった内容です。
必ず従う必要はありませんが、法律を根拠とするので、みんなが納得しやすい目安にはなります。
しかし、法定相続分通りに分けようとするともめるケースがあります。
それは、親が生前、特定の子供に多額の贈与をしていた場合です。
多額の贈与をすでに受けていた兄と、そうではなかった妹。
その2人が、遺産を均等に受け取るというのでは、妹が不公平に感じるのはしかたありません。
民法はこうしたケースについても想定しています。
親から生前に贈与された財産を「特別受益」といい、遺産分割において考慮すべきとしています。
受益分を相続財産に加算するなどして分け方を調整するのです。
このほか「寄与分」という考え方もあります。
生前、親を看病したり事業を手伝ったりして財産の維持・増加に貢献した場合、その度合いに応じて遺産を多く受け取れることがあります。
親はうちの家族は仲が良いからもめることは無いと考えているケースが多いです。
しかし、今年の1月から9月までに裁判所が関与した遺産分割は約6,200件もあります。
そして、裁判になるのは遺産が5千万円以下が8割。
さらに、1千万円以下の事例も全体の約3分の1になるそうです。
遺産の多少にかかわらず、遺言の作成や事前の話し合いをすることをお勧めします。
ふるだて税理士事務所では、相続税の試算、節税対策、遺言作成のご相談なども受け付けております。
お悩みの際はお気軽にご連絡ください。
(執筆:古舘)