ふるだて税理士事務所は豊富な知識と実績で最善策を提案します!!
トップページ > 節税・お役立ち情報 > 新型コロナウイルスの影響に伴う、役員給与改定の留意点

新型コロナウイルスの影響に伴う、役員給与改定の留意点

2020/6/01

新型コロナウイルスの影響により経営状況が著しく悪化し、役員給与の「減額」を検討するケースも増えてきています。

しかしながら役員自身の生活面などからは、経営状況が好転した際にはすぐにでも元の給与水準まで「増額」したいと考えます。

今回は新型コロナウイルスの影響により、役員給与の「減額」と「増額」が同一事業年度内で行われる場合の留意点をまとめます。
 
◆役員給与の「減額」
法人が役員に支払う給与は、 次のいずれかに該当し、かつ、不相当に高額ではない等のみ経費として認められます。
・定期同額給与
・事前確定届出給与
・業績連動給与
今回の役員給与は「定期同額給与」が論点です。
 
定期同額給与とは、1か月以下の期間ごとに支給される給与で、かつ、その事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与、その他これに準ずる給与です。
改訂の時期は基本的に事業年度開始の日から3か月までになります。
このような制限は、役員給与は利益調整に使われる恐れがあるためです。
一方で、利益調整の恐れがない「業績悪化改定事由」による支給額の改定は、期中であっても経費になることがあります。
 
業績悪化改定事由とは、単に業績が悪化しているという主観的な判断のみならず、客観的な状況も必要となります。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、例えば「営業自粛の要請がされている業種」などでは、業績が悪化している客観的な状況があると言えます。
 
したがって、期中に役員給与を減額しても、減額後の定額を支給すれば経費となります。
 
 
◆役員給与減額後に行う、同一事業年度内の「増額」
新型コロナウイルスの影響が止み、経営状況が好転した際に役員給与を増額した場合も、定期同額給与の期中の改定に該当します。
前述のとおり、定期同額給与の期中の改定は制限があり、業績悪化改定事由は減額改定のみとなるため該当しません。
増額の場合は「臨時改定事由」に該当するか否かがポイントになります。
 
臨時改定事由とは、「役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更、その他これらに類するやむを得ない事情」によりされた、これらの役員に係る定期給与の額の改定(法令
69①-ロ)となります。
つまり、経営状況が好転した際の増額改定は、臨時改定事由に該当しません。
 
したがって、役員給与の減額後の同一事業年度内の増額は、たとえ新型コロナウイルスの影響であっても、改定前の金額を超える部分の金額は経費になりません。
 
 
※現状の役員給与100万、60万に減額後、100万円に戻した場合

図.png
経費になる金額 :840万円(100万×3か月+60万×9か月)
経費にならない金額:120万円(40万×3か月)
 
 
◆まとめ
新型コロナウイルスの影響に伴う、役員給与(定期同額給与)の改定を確認しました。
一定の場合は、減額改定は税務上でも経費となります。
しかし、減額改定後に経営状況が好転し役員給与を増額した場合は、経費にならない部分が生じるため注意が必要です。
 
 
執筆:渡辺
 
<参考文献>
2020. 週刊税務通信. 税務研究会. №3603. pp.2-3

(トップページに戻る)


ふるだて税理士事務所 代表者プロフィール

古舘 雅史(ふるだてまさし)

詳しいプロフィールはこちら


  • 節税・お役立ち情報
  • 税理士のコラム
  • スタッフのコラム
  • お客様の声
  • 紹介されたTV・雑誌・新聞
  • 相続税申告.com
  • スポット決算.com
  • マンガで解説スポット決算
  • Web経営マガジン
  • メルマガ登録