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低解約返戻金型生命保険の課税問題の見直し

2021/4/01

保険契約日から一定期間は解約返戻金額が低く設定される低解約返戻金型生命保険の所得税の取り扱いについて、国税庁が2021年6月末の改正を目指していることが報道されました。

今回は、その改正内容の方向性についてまとめました。


低解約返戻金型生命保険とは、契約後数年間は解約返戻金額を大幅に少なくし、その後解約返戻金額が引きあがる契約内容の生命保険です。

契約者を法人として解約返戻金が低いうちに被保険者である役員や従業員へ名義変更し、解約返戻金が高くなった段階で解約することで、低い自己資金で多額の解約返戻金を受け取ることができます。

また、名義変更した際の「経済的利益の供与」は『給与所得』として課税、解約した際の実際の解約返戻金は『一時所得』として課税されます。


「経済的利益の供与」は、現在、名義変更時の解約返戻金相当額ですので、低い解約返戻金相当額であれば、給与課税される金額も低くなります。
また、一時所得は、最高50万円の特別控除と2分の1課税となり、被保険者に税務メリットが大きい内容でした。

今回の改正内容は、「経済的利益の供与」を『解約返戻金相当額』から『資産計上額』への評価に変更が検討されています。

具体的には、解約返戻金が法人の資産計上している保険料の7割未満の場合は、『資産計上額』で評価するように見直す方向で検討がされています。
『資産計上額』は、2019年に新設された法人税基本通達9-3-5の2に取り扱いがあり、下記の図となります。



区分

資産計上期間

資産計上額

取崩期間

最高解約返戻率50%超70%以下

保険期間の開始の日から、当該保険期間の100分の40相当期間を経過する日まで

当期分支払保険料の額に100分の40を乗じて計算した金額

保険期間の100分の75相当期間経過後から、保険期間の終了の日まで

最高解約返戻率70%超85%以下

当期分支払保険料の額に100分の60を乗じて計算した金額

最高解約返戻率85%超

保険期間の開始の日から、最高解約返戻率となる期間(当該期間経過後の各期間において、その期間における解約返戻金相当額からその直前の期間における解約返戻金相当額を控除した金額を年換算保険料相当額で除した割合が100分の70を超える期間がある場合には、その超えることとなる期間)の終了の日まで

(注) 上記の資産計上期間が5年未満となる場合には、保険期間の開始の日から、5年を経過する日まで(保険期間が10年未満の場合には、保険期間の開始の日から、当該保険期間の100分の50相当期間を経過する日まで)とする。

当期分支払保険料の額に最高解約返戻率の100分の70(保険期間の開始の日から、10年を経過する日までは、100分の90)を乗じて計算した金額

解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間(資産計上期間がこの表の資産計上期間の欄に掲げる(注)に該当する場合には、当該(注)による資産計上期間)経過後から、保険期間の終了の日まで

出典:国税庁HP 法人税基本通達9-3-5の2

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_03.htm


今回の見直しは、2019年に新設された法人税基本通達9-3-5の2に基づき資産計上されている契約(2019年7月8日以降締結した契約)について、今回の改正日後に名義変更を行った場合に適用することが想定されています。
実際に見直しとなる場合は、通達の改正となるためパブリックコメントを経ての改正となります。

【まとめ】
低額な金額で名義変更したあとに、被保険者が得をする節税手法に国税庁がメスを入れることになりました。
今回の見直しにより、名義変更時の給与課税の対象額が大幅に増加する事になり、受け取る解約返戻金が『一時所得』として2分の1課税が適用されるとしても、同保険契約の仕組みを利用した名義変更スキームの税務メリットはこれまでよりも大きく低減することになります。
また、2019年の改正に基づき2019年7月8日以降締結した契約について適用になると想定されていますので、今後の動向が注目されています。

(執筆:小林)

<参考文献>
2020週刊税務通信 税務研究会 No.3647 P2



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