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電子帳簿保存法の改正

2021/7/01

令和3年度の税制改正において、電子帳簿保存法が改正されました。

納税者の帳簿書類保存の負担軽減を図るために、平成10年度税制改正の中で『電子帳簿保存法』が創設されています。

今回の改正において、帳簿書類を電子的に保存する際の手続等について、大きく見直しされました。

税法では、納税者が納税地にて備付け及び保存が必要な帳簿書類の保管期間は7年、紙での保存が原則と決められています。特例として、認めているのが『電子帳簿保存法』です。

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1.令和3年度電子帳簿保存法の改正概要

【承認制度の廃止】

・電子帳簿保存の特例の適用にあたり、これまでは事前に税務署長の承認が必要でしたが、この承認制度が廃止となります。

≪適用時期≫

帳簿:令和4年1月1日以後開始する事業年度分から適用

書類:令和4年1月1日以後保存を開始するデータから適用

スキャナ保存:令和4年1月1日以後保存を開始するスキャナ保存から適用

【優良電子帳簿システムで作成された帳簿データの優遇制度】

・電子帳簿保存法の要件に従って作成及び保存がされる場合、税務調査において当該帳簿の記載事項に関し生じた申告漏れに課される過少申告加算税が5%減免されます。

≪適用時期≫

令和4年1月1日以後に法定申告期限が到来する当該事業年度から適用

【国税関係書類のスキャナ保存の要件を緩和】

・訂正又は削除の履歴が残るシステムで保存される場合のタイムスタンプ付与が不要

・重要な書類の入力期限を『業務サイクル後速やかに入力する(2ヵ月+7営業日)』に統一

・適正事務処理要件を廃止

・検索項目を『取引月日』『取引金額』『取引先』の3項目に限定

≪適用時期≫

令和4年1月1日以後保存を開始するスキャナ保存から適用

【電子取引データの厳格な保存】

・電子取引に係るデータの保存について、書面出力により整理、保存する場合の書面保存は不可

・検索項目を『取引年月日』『取引金額』『取引先』の3項目に限定

≪適用時期≫

令和4年1月1日以後行われる電子取引から適用

【罰則規定】

・帳簿書類及び電子取引データについて、電子帳簿保存法の要件に従った保存がされていない場合には、税法上保存義務がある帳簿書類として取り扱わない

・スキャナ保存及び電子取引データの改ざん等により不正計算がされている場合の重加算税を10%加重に賦課

≪適用時期≫

令和4年1月1日以後に法定申告期限が到来する当該事業年度から適用

2.スキャナ保存に関する改正事項

【承認制度の廃止】

令和4年1月1日以降に行う国税関係書類のスキャナ保存は税務署長の事前承認制度が廃止されます。

【スキャナ保存の要件(令和4年1月1日以降)】

①入力期限(請求書・領収書などの重要な書類)

・業務サイクル後速やかに入力(2ヵ月+7営業日)

(重要な書類以外の書類については適時に入力可能)

・書類の作成または受領から保存までの事務処理規定を定めること

②保存システム要件

・タイムスタンプ付与及び検証機能

 (訂正又は削除データが保存されるシステムに保存する場合は不要)

・訂正又は削除された事実とそのデータの内容が確認できること

・証憑データと関連する帳簿の仕訳情報との相互関連性を確保

・証憑データの入力時の情報(解像度・階調・書類の大きさ情報)が確認できること

・書類の入力者もしくはその者を直接監督する者の確認ができること

・検索条件(取引年月日・取引金額・取引先)で検索できること

③入力機器の要件

・解像度200dpi以上

・赤青緑の256階調以上(一般書類(※)は白黒の256階調で可)

※一般書類:見積書、注文書、検収書など資金や物の流れに直結しない書類

④出力機器の要件

・14インチ以上のディスプレイ、プリンタに整然とした形式で明瞭な状態で速やかに出力

3.電子取引に関する改正事項

【書面保存の廃止】

現行の電子帳簿保存法では、電子取引データの紙の保存を容認していましたが、今回の改正で紙保存ができなくなりました。令和4年1月1日以降に扱う電子取引データより適用となります。

【電子取引の保存要件】

①保存場所と保存期間

電子取引データは各税法に定められた保存場所において保存期間が満了するまで保存する必要があります。該当データを納税地で整然とした形式で明瞭な状態で出力できれば要件を満たすためクラウドサーバー上で保存することも可能です。

②電子取引データの措置

 電子取引データを保存する場合は、下記いずれかの措置を行った上でデータを保存する必要があります。(真実性の要件)

・タイムスタンプが付された後、取引情報の授受を行うこと

・取引情報の授受後、速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付すとともに、保存を行うもの又は監督者に関する情報を確認できるようにしておくこと

・記録事項の訂正・削除を行った場合に、これらの事実及び内容を確認できるシステムまたは記録事項の訂正・削除を行うことができないシステムで取引情報の授受及び保存を行うこと

・正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規定を定め、その規定に沿った運用を行うこと

③電子取引データの保存要件

電子取引データを保存する場合には以下の要件に従って保存する必要があります。

(可視性の要件)

・保存場所に、電子計算機、プログラム、14インチ以上のディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと

・電子計算機処理システムの概要書を備付けること

・検索機能を確保すること

【まとめ】

改正前の『電子帳簿保存法』は、税務署への承認申請、書類保存の業務スケジュールなど、書類の改ざんを防止するために要件が細かく設定されていました。そのため、非常に取扱いが難しい特例でした。今回の改正により、大幅に要件が緩和され中小企業でも取り入れやすくなっています。

ただし、要件に反している書類は、データで保存していた場合でも、税法上の領収書等として認められない罰則も規定されています。導入する際は明確な業務スケジュールの確立が必要です。

(執筆:小林)

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