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配偶者居住権

2021/11/01

今回は令和2年4月以降に発生した相続から新たに認められた、配偶者居住権(はいぐうしゃきょじゅうけん)という権利について解説します。


配偶者居住権とは、夫婦の一方がなくなった場合に、残された配偶者が、

・亡くなった人が所有していた自宅に、
・亡くなるまで又は一定の期間、
・無償で

住み続けることができる権利です。

自宅の価値を「所有権」と「居住権」に分けて考えます。

残された配偶者は自宅の「所有権」を持っていなくても、「居住権」を取得することで、亡くなった人が所有していた自宅に引き続き住み続けられるようになります。


【配偶者居住権のメリット】

配偶者居住権の価格は売却する権利がないため、自宅の所有権の価格よりも低くなります。
価格が低くなると残された配偶者は、預金など、自宅以外の遺産を多く取得しやすくなります。


例えば、遺産分割する自宅の価格が2000万円、その他の遺産は現金2000万円とします。
相続人は、妻と子1人、
妻と子の仲が悪く、子が法定相続分(2分の1)の遺産を要求するとします。

(改正前)
妻 自宅2000万円を相続
子 現金2000万円を相続

妻は住む場所はあるが生活費が不安です。

(改正後)※配偶者居住権を1000万円とします。
妻 配偶者居住権1000万円+現金1000万円=2000万円を相続
子 所有権1000万円+現金1000万円=2000万円を相続

妻は今の家に住みながら生活費も得られます。

【配偶者居住権の成立要件は?】
配偶者居住権が成立するためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
1.残された配偶者が、亡くなった人の法律上の配偶者であること
2.配偶者が、亡くなった人が所有していた建物に、亡くなったときに居住していたこと
3.①遺産分割、②遺贈、③死因贈与、④家庭裁判所の審判、のいずれかにより配偶者居住権を取得したこと
  (①は相続人の間での話し合い、②③は配偶者居住権に関する遺言又は死因贈与契約書がある場合、④は相続人の間で①遺産分割の話合いがまとまらない場合です。)

また、配偶者居住権は、登記をしなければ第三者に対抗できません。
配偶者居住権の登記ができるのは建物のみで、その敷地である土地には登記できません。

【配偶者居住権のデメリット・注意点】
・配偶者居住権は売却できません。
・配偶者居住権は、配偶者の死亡によって消滅します。
・通常の維持費は配偶者の負担です。
・敷地だけ売却された場合、配偶者居住権を主張できません。

【まとめ】
配偶者居住権は、令和2年4月から12月までに129件が法務局に登記されました。
登記件数は右肩上がりに増加していて、令和3年8月では84件の登記でした。
今後も配偶者居住権を活用した遺産分割協議が増えるものと考えます。

(執筆:古舘)

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古舘 雅史(ふるだてまさし)

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