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配偶者控除および扶養人数の算定方法

平成29年度税制改正により、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直が行われました。

 

これに伴い、配偶者について、2018(平成30)年以降の給与(賞与)の税額計算上の扶養親族数の計算方法や、年末調整の控除額などが変更されます。

<施行日>

2018(平成30)年1月1日

<適用開始>

2018(平成30)年1月1日以後に支給する給与(賞与)から

<配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額の改正>

• 配偶者控除

控除額の改正

給与所得者の合計所得⾦額が1,000万円を超える場合には、適用を受けることができません

(改正前︓給与所得者の合計所得金額は制限無し)

• 配偶者特別控除

特別控除額の改正

対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下に変更されました

(改正前︓配偶者の合計所得金額は38万円超76万円未満

<扶養親族等の数の算定⽅法の変更>

「源泉控除対象配偶者」「同⼀生計配偶者」といった扶養親族等の数を算定する区分が追加されます。

これらは、配偶者の合計所得金額や給与所得者の合計所得金額により判断されます。

 

扶養親族等の数の算定に当たり、配偶者が源泉控除対象配偶者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を 加えて計算することとされました。

同⼀生計配偶者が障害者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することとされました。

<各種申告書等の様式変更>

「給与所得者の配偶者特別控除申告書」が「給与所得者の配偶者控除等申告書」に改められます。

また、他の申告書についても記載事項の変更が⾏われる予定です。

※税務署で配布していた「給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」(兼用様式)については、 2018(平成30)年分以降、「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」の2種類 の様式となる予定です。

 

<まとめ>

今回の改正は2018(平成30)年1月1日以後に支給する給与(賞与)から変更となります。

年末年始の忙しいタイミングですが給与ソフトの設定変更など忘れないように気を付けましょう。

(執筆:古舘)

過年度分の未払残業代

社会的に問題となった違法な長時間労働問題。

最近においても定期的に新聞・テレビで目にします。

 

企業が未払い残業代を従業員に支給する場合、一般的に2つの考え方があります。

①一時金(精算金等)

②過年分の給与  

 

これらの税務上の取り扱いはどのようになるのでしょうか。

未払い残業代をもらう側(従業員)と支払う側(企業)、それぞれの立場で整理してみます。    

【従業員側】

①一時金(精算金等)

未払い残業代を『一時金』として支給を受けた場合、課税される年分は基本的には『支給日の属する年分』となります。

賞与と同様の取り扱いとなります。  

そのため、過年分の所得税・住民税については影響ありません。

しかしながら、支給を受けた年分の給与・賞与が増大するため、所得税やその翌年分の住民税も跳ね上がるので注意が必要です。  

②過年分の給与 実労働時間に基づき『過年分の給与』として支給を受けた場合、

課税される年分は『本来の支給日の属するそれぞれの年分』となります。  

過年度分の場合でも、①と同様の問題が出てきます。

所得税や住民税は適正な年分で計算されますが、結局はまとめて請求されます。  

さらに過年度で扶養から外れてしまうと、扶養していた側でも年末調整または確定申告のやり直しが必要になります。    

【企業側】

①一時金(精算金等)

賞与として社会保険料や源泉所得税などを計算します。  

②過年分の給与

こちらは非常に手間がかかります。

それぞれの年分にさかのぼって給与計算・年末調整をやり直すことになります。

源泉所得税・雇用保険料を再計算し、さらには4~6月の給与に変動があった場合には社会保険料も変わります。  

なお、法人税の取扱は①②の支給形態にかかわらず、支給した事業年度に損金算入されます。

支給額の決定の属する事業年度に「債務が確定」したと考えるためです。

したがって、過去にさかのぼって修正申告等をする必要ありません。    

 

【まとめ】

未払い残業代のそれぞれの立場の課税の仕組みについて整理してみました。

企業側の支給方法によって、従業員側の課税時期が変わるのは意外だったのではないでしょうか。  

この未払い残業代ですが、企業側の事前対策として本やサイトがたくさんあります。

法的な対策も必要かと思いますが、個人的には「残業を少なくする事」もポイントと考えます。  

そのためには、普段から従業員と密に接すること、風通しのいい職場作りが重要ではないでしょうか。

上司が仕事の相談を受けること・コツを伝えることはもちろんのこと、若い社員のフレッシュな考えや技術を取り入れることで、業務改善が図れることがあるかも知れません。

まずは社内間のコミュニケーションを大切にすることから始めてみてはいかがでしょうか。

(執筆:渡辺)

ビットコインの税金

最近なにかと話題のビットコイン(仮想通貨)。

 

ビットコインの取引で利益が出た場合、 どのようなに税金が計算されるのかについて明確な指針が今まではありませんでした。

 

今回、国税庁のタックスアンサーにおいて、 ビットコインにより生じる利益については原則「雑所得」に区分されることが公表されました。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm

 

【1】雑所得とは?

雑所得とは、公的年金等、非営業用貸金の利子、本業以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。

 

今回ビットコイン取引での利益もこれに含まれるとされました。

 

雑所得の金額は、公的年金等以外については、「雑所得にかかる総収入金額-必要経費」として計算されます。

これに給与所得などの他の所得と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。

こちらの所得は総合課税が適用され、所得が高くなればなるほど税率も高くなる 累進課税という仕組みです。

所得税の税率(復興特別所得税は含みません)

所得金額 税率
195万円 5%   
195万円~330万円以下 10%   
330万円~695万円以下 20%   
695万円~900万円以下 23%   
900万円~1,800万円以下 33%   
1,800万円~4,000万円以下 40%   
4,000万円超 45%   

なお、雑所得は一年単位での計算となるので、損失が出ても、翌年に損失を繰り越すことはできません。

【2】株式売買益との違い

株式を売却して譲渡益が出た場合は、申告分離課税として、他の所得と分離して税金を計算します。

税率は、所得税と住民税を合わせて一律20%です。 利益の大きさに関わらず税率は一定です。

また、損失が出た場合には3年間繰り越すことができます。

【3】ビットコインを使用することの利益とは?

ビットコインを保有しているだけで、含み益が生じている場合は、課税対象とはなりません。

課税対象となるのは具体的には、下記のような取引が考えられます。

(1)ビットコインを円に交換(売却)   

    「売却額-取得価格」=「売却益」が課税対象

(2)ビットコインを他の仮想通貨と交換    

    ビットコイン取得時から交換時点までの間の値上がり益が課税対象

(3)ビットコインで物品の購入    

    ビットコインの取得価格から物品購入時までの間の値上がり益が課税対象

【4】まとめ

ビットコイン等の仮想通貨は、現在数百種類存在し取引されているそうです。

納税ルールが不明瞭な状況で、価値が増加しどのような課税がされるのか心配されていた方も多いと思います。

今回、国税庁から仮想通貨についての指針が発表されましたので、 今後は仮想通貨取引にかかる利益について、適切な納税を行っていくことが必要です。

(執筆:古舘)

社会保険料が変わるタイミング

社会保険料が変わるタイミングがあるのはご存じでしょうか。

 基本的には2つ。

料率変更と等級変更があります。

今回は給与控除の時期も併せて、再確認しようと思います。

【料率の変更】

・健保、介護料率→3月保険料(4月納付)

・厚生年金保険料→9月保険料(10月納付)

年金事務所からの封書やインターネットで確認ができます。

 

2017年9月以降の保険料は以下のURLを参考にしてください。

◆東京都

http://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h29/ippan9gatu/h290913tokyo.pdf

◆その他

http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h29/h29ryougakuhyou9gatukara

 

【等級の変更】

・算定基礎に伴う等級変更→9月保険料(10月納付)

算定基礎とは、毎年1年に4〜6月の給料等の平均を基礎に標準報酬月額というものを決定する手続きのことを言います。

適切に手続きをしていれば、日本年金機構(年金事務所)から標準報酬決定通知書が7月に届きます。

 

【給与控除のタイミング】

・3月の料率変更→4月支給の給与

・9月の料率、等級変更→10月支給の給与

 

原則として、社会保険料は翌月の給与支給分から控除します。

なかには給与の締日・支給日などにより、当月分の保険料を当月分の給与から控除する事業所もありますのでご注意ください。

 

【まとめ】

標準報酬決定通知書による社会保険料の改定時期となりましたので、まとめてみました。

実際に給与から控除するタイミングは、原則として翌月の給与支給分となります。

標準報酬決定通知書が届いた際は、変更の時期を今一度ご確認ください。

執筆:渡辺

贈与税の配偶者控除特例

夫婦の間で居住用の不動産等を贈与した時には特例があります。

【概要】

結婚してから20年以上経過している夫婦の間で、 自宅用不動産又は自宅用不動産を取得するための金銭贈与がされた場合。

基礎控除110万円のほかに最高2,000万円までについて贈与税を課税しないというものです。

【適用要件】

1.夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後の贈与であること

2.配偶者から贈与された財産が、自分が住むための居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること

3.贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した不動産又は贈与を受けた金銭で取得した不動産に、贈与を受けた者が住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

【手続き】

次の書類を添付して、贈与税の申告をすることが必要です。

・財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本

・財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し

・居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた人がその居住用不動産を取得したことを証するもの

上記の書類のほかに、金銭ではなく居住用不動産の贈与を受けた場合は、その居住用不動産を評価するための書類(固定資産評価証明書など)が必要です。

 

2,000万円もの贈与が無税になるなんてとってもお得に感じますが、利用は慎重に考える必要があります。

 

理由は3つです。

【1】

配偶者(夫もしくは妻)が相続する場合、特例により相続財産の2分の1まで、もしくは、1億6千万円までは相続税がかかりません。

つまり、財産が1億6千万円未満のご家庭では急いで贈与する必要がありません。

 

【2】

被相続人(亡くなった人)の土地を配偶者が相続する場合、 土地の相続税評価は8割引きになります。

生前贈与の時は通常の評価方法で割引はありません。

結果、2,000万円の不動産を生前に贈与しても 相続財産としては400万円しか減少しないことになります。

 

【3】

不動産を贈与すると「不動産取得税」と「登録免許税」がかかります。

不動産取得税は、固定資産税評価額に、土地は1.5%、家屋は3%、

登録免許税は2%の税率をかけて計算します。

2,000万円の土地を贈与した場合、2,000万円×(1.5%+2%)=70万円です。

 

 相続登記の場合、

不動産取得税は「ゼロ」 登録免許税は「0.4%」です。

 

2,000万円の土地を相続した場合、2,000万円×(0%+0.4%)=8万円です。

 生前贈与と相続では62万円の差があります。

 さらに、不動産の名義変更には司法書士への手数料が、

贈与税の申告を税理士に依頼するとまた手数料がかかります。

 

贈与の特例を使っていいのは、次の2つのようなケースです。

1.明らかに相続税が発生する

2.生前になるべく配偶者に分けておきたい。 →自宅を遺産分割の対象にしたくない

【まとめ】

特例とあるので誰でも得するように思いますが必ず得をするわけではありません。

十分に検討されてから贈与してください。

ちなみに、同じ配偶者からは一生に一度しか特例は受けられません。

復縁して20年たっても、婚姻期間が40年でも2回目はありません。

(執筆:古舘)

源泉所得税の納付

毎月10日は、源泉所得税の納付期限です。

給与の支給人員が10人未満である事業者さんは、

納期の特例(半年納付)を適用しているケースが多いのではないでしょうか。

 

その場合、7月10日は1~6月分の源泉所得税(主に給与天引き)の法定納期限となります。

 

期限内に納付することが望ましいですが、万が一遅れたらどうなるのか?

 

そのときは国が用意したペナルティが待っております。

【不納付加算税】

納付が1日でも遅れてしまった場合、不納付加算税というペナルティが用意されております。

不納付加算税の計算は下記となります。

・源泉所得税額の10%

税務署から指摘される前に完納した場合には5%の半額にオマケしてくれます。

 

 また、不納付加算税が免除されることもあります。

 

・不納付加算税を計算した結果、5,000円未満の場合

・過去1年間に納付が遅れたことがなく、納付期限から1ヶ月以内に納付した場合

・新たに源泉徴収義務者となって初回のもので、納付期限から1ヶ月以内に納付した場合

 

【延滞税】

法定納期限から実際納付日までの利息にあたるペナルティもあります。

延滞税は、納付期限の翌日から納付する日までの日数に次の年利率をかけて計算されます。

・最初の2ヶ月 年2.7%(平成29年) ・3ヶ月以降  年9.0%(平成29年)

 

延滞税も免除されることがあります。

 

・延滞税を計算した結果、1,000円未満の場合

 

源泉所得税の納付が期限内にできなかった場合のペナルティについてまとめてみました。

 

納付期限を過ぎてしまっても、なるべく早く納付したほうがペナルティが少なく済むことはお伝えできたかと思います。

 

さらに納期の特例を受けている場合、半年分をまとめて納付するので不納付加算税、

延滞税も多額になる恐れがあります。

 

ご注意ください。

(執筆:渡辺)

法定相続情報証明制度

平成29年5月29日(月)から、全国の法務局において、各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」が始まりました。

【相続手続が簡単に】

今までの相続手続は、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等の束を、相続手続を行う金融機関、役所ごとに何度も出し直す必要がありました。

 

昔の家督相続時代から何度か改正があり、そのたびに戸籍は作り直されています。

 

結果、出生から死亡までの戸籍を集めるのはすごく大変な作業で費用も掛かります。

 

法定相続情報証明制度は、戸除籍謄本等の束と、相続関係を一覧にした法定相続情報一覧図を法務局に提出します。

すると、登記官が相続情報証明書を無料で交付します。

その後の相続手続は、相続情報証明書を利用することで、 戸除籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなります。

 

【制度の狙い】

本制度により交付された相続情報証明書が、相続登記の申請手続をはじめ、被相続人名義の預金の払戻し等、様々な相続手続に利用されます。

 

結果、相続手続に係る相続人・手続の担当機関双方の負担が軽減されることになります。

 

【不動産の相続登記】

不動産の登記名義人(所有者)が死亡した場合、所有権の移転の登記が必要です。

 

しかし、最近は資産価値がない、固定資産税の負担ができない、などの理由で相続登記が未了のまま放置されるケースが多くなっていました。

 

相続登記が放置されると、長期間空き家になり倒壊の危険性など、様々な社会問題の要因となります。

 

今までは相続登記手続きの煩雑さから放置されていたケースがありましたが、相続情報証明書の利用により改善される可能性があります。

 

【まとめ】

平成27年以降に発生した相続から基礎控除が減少し、相続税申告が必要な方が増えています。

今回の「法定相続情報証明制度」により相続手続きが容易になり、また費用も抑えられ、相続人の負担が減少することになると思います。

(執筆:古舘)

住民税の特別徴収

今年から住民税の特別徴収が強制適用(例外あり)となりました。

 

5月は会社(事業主)宛てに「住民税の税額通知書」が続々と届く時期となります。  

 

はじめて特別徴収をする事業主さんも多いのではないでしょうか。

 

今回はその取扱いをおさらいしてみます。  

各市区町村から送付される、「住民税の税額通知書」に従って、

 

給与から天引き・納付(翌月10日まで)をする というのが特別徴収の基本的な仕組みです。  

 

【特別徴収の納期の特例】

常時10人未満の会社であれば、毎月納付を半年納付に切り替えることができます。

この特例を受けるためには各市区町村へ申請・承認が必要になります。

 

 仕組み自体はそれほど複雑ではないですが、従業員に異動があった場合が問題となります。

 

よくある異動ごとに手続きの有無等をまとめてみます。    

 

【従業員が退職した場合】

退職した月の翌月10日までに「異動届出書」を退職者の住所地の市区町村に提出します。

特別徴収できなくなった退職後の税額は、退職した時期に応じて次のとおり精算をします。  

 

 ①6月1日~12月31日の退職

残額は普通徴収となり、退職した従業員が自ら納付します。

従業員からの申し出等があれば、最終の給与・退職金等から一括徴収することもできます。  

 

 ②翌年1月1日~4月30日の退職

従業員からの申し出の有無にかかわらず、5月31日までの間に支払いをする給与又は退職手当等から一括徴収します。

一括徴収すべき金額が最終の給与と退職金等を上回る場合には、残額を普通徴収とすることもできます。  

また、転職の場合、従業員は「再就職先で引き続き特別徴収」を選択することも可能です。  

※退職者が生じた市区町村の納付税額は、退職後変わるケースがあります。  

納付書に記載されている納付税額を事業主が訂正することになりますので注意が必要です。    

 

 【従業員が入社した場合】

基本的に手続きは必要ありません。  

手続きが必要なケースは、 その従業員が「再就職先で引き続き特別徴収」を選択している場合です。

前職から「異動届出」送付してもらいましょう。    

 

 【従業員が引っ越した場合】

住民税は1月1日現在の住所地の市区町村で課税がされます。

その後、引っ越しをしたとしても住民税の納付先は変更されません。

従って、従業員が引っ越したときに手続きは必要ありません。    

 

 住民税特別徴収の取り扱いは、市区町村により異なることもあります。

故にネットで検索すると思いのほか時間がかかります。

分からないことがあれば市区町村に問い合わせしてしまうほうが確実で早いのでおすすめです。  

(執筆:渡辺)

扶養の是正

「扶養控除等の控除誤りの是正について」というものが 税務署から会社に郵送されることがあります。

 

会社は、年末調整の際に従業員から提出された「扶養控除等申告書」に基づいて扶養控除の額を計算します。

 

扶養控除等申告書は、従業員が「誰を扶養しているか」を記入するものです。

一般的には「配偶者」「子供」「父母」で所得(収入ではありません)が38万円以下の方が対象となります。

なぜ、扶養の是正が発生するのでしょうか。

 

一番多いのは、扶養親族の所得が38万円以下だと思っていたのに、実際は38万円超の稼ぎがあったケースです。

家族でも収入をはっきりと知らせないケースが意外と多いです。

 

二番目は、二重扶養。

同居でなくても扶養にすることができます。

実家に暮らす親に仕送りをしている兄弟がそれぞれ扶養に入れてしまったようなケースです。

 

三番目は、給与以外に収入があって所得が38万円を超えてしまったケース。

 

給与収入だけの場合、年間で103万円以下であれば所得は38万円以下なので扶養に入れます。

ただ、家賃収入などほかの収入があった場合には所得が38万円を超えてしまい家族の扶養になることはできません。

なぜ、収入が多かったことが税務署にわかるかというと、バイト先などから源泉徴収票が市区町村に提出されます。

市区町村は本来扶養に入れない人が誰かの扶養に入っていないかどうかをを確認します。

結果、収入が多く扶養に入れないことがわかった場合に税務署に連絡します。

その後、税務署は勤務先に扶養の是正通知を送るのです。

扶養の是正通知を受け取った会社の手続きとしては、年末調整のやり直しです。

すでに従業員が退職している場合には、 回答書の摘要欄に「平成〇年〇月〇日退職済」として返送します。

 

年末調整をやり直すと、扶養家族が当初より減少するので税金が当然増えます。

その増えた税金を会社は従業員から預かって税務署に納付します。

(納付書は扶養の是正通知と一緒に郵送されています)

 

ちなみに、扶養の是正により追加納税する税金については加算税や延滞税は課されません。

理由は、「会社には責任がない」からです。

 

12月支給の給与で年末調整をする会社では子供や奥さんの収入を見込みで扶養にするかどうかを判断することもあります。

 

是正の手続きは所得確認のために書類が必要になったり、年末調整のやり直しだったり、手続きが増えます。

 

従業員については追加で税金が徴収されることになり痛手です。

 

扶養控除等申告書の記入は親族の所得が扶養の範囲内かどうかをしっかりと確認して行いましょう。

(執筆:古舘)

クレジットカード納付

今までも一部の自治体や特定の地方税はクレジットカードで納めることができました。

 

それに加え、国税でもクレジットカード納付が始まったのはご存知でしょうか。  

 

今年の始めにひっそりと「国税クレジットカードお支払サイト」がオープンされました。

https://kokuzei.noufu.jp/jpn/

 

対応する国税は、所得税・相続税・贈与税・法人税・消費税など全部で30種。

ほぼすべての国税がクレジットカードでの納付ができるようになりました。

各々のカード利用限度枠内ではありますが、原則1000万円未満なら納税可能です。    

 

クレジットカード納付のメリットを考えてみました。  

①ポイントが付与されます

まとまった金額になるケースもあると思いますので、

ポイント好きな方はチェックをしてみてください。

税金の納付なので、カード会社によってはポイント率が変わるかもしれませんね。  

 

②分割払い・リボ払いが利用できます

一括払いだけではなく、分割・リボ払いも選択できます。

当然ですが、分割・リボ払いは手数料(金利)の負担をすることになります。

リボ払いの金利負担は高額になることが予想できますので、個人的にはお勧めできません。  

 

③実質的に納付期限を延ばせます

カード会社からの引落しは、納付手続きの翌月以降になることが多いはず。

一時的に資金繰りが厳しいときなど、計画的に使えるかも知れません。  

 

④納付手続きの簡便化

ネット上での手続きなので、納付手続きの手間や時間が削減できます。    

 

一方、デメリットもあります。  

 

①手数料の発生

納税額が1万円あたり76円(税別)かかります。

ポイント付与・手数料は経費になることなどを考えると、実質的な負担はもっと小さくなるかも知れません。    

 

余談ですが、国税庁のHPでは手数料発生の理由が事細かく書いてあります。

 

納付の選択肢が増えるということは、納税者にとって利便性が向上したのではないかと思います。  

メリット・デメリットをお伝えしてきましたが、 「今日が納付期限なのに銀行に行っている時間がない!」ときなど、クレジットカード納付を思い出してください。  

執筆:渡辺

医療費控除の特例

今年から医療費控除の特例制度(セルフメディケーション税制)が始まりました。

 

セルフメディケーション税制は「健康の維持増進や疾病の予防に一定の取り組みをしている」ことが必要です。

 

一定の取り組みとは、会社の定期検診や市町村のガン検診、メタボ検診、インフルエンザの予防接種などです。

従来の医療費控除は年間の医療費が10万円(所得が200万円未満の人は 所得の5%)超とハードルが高かったです。

 

セルフメディケーション税制では対象となる医薬品の合計額が年間で1万2000円を超えれば適用されます。

 

従来の医療費控除と同様に生計をともにする家族の分も 合算できます。

 

特例ができたのは、 軽度な体の不調については病院に行かずに市販薬を 服用してください。という趣旨です。

結果、国としては膨らみ続ける医療費負担が抑えられる ことになります。

 

対象となるのは「スイッチOTC医薬品」と呼ばれる 医療用から転用された医薬品です。

 

風邪薬、胃腸薬、腰痛の貼付薬など、 薬局で扱う商品の多くを占めるそうです。

 

ただ、購入の際に利用した交通費は含めることができません。

たとえば、対象医薬品を2万円購入した場合。 基準となる1万2000円を超えた8000円分が課税所得から控除。

 

所得税(税率20%の場合)で1600円、住民税(税率10%) で800円の計2400円が減税になります。

 

特例を受けるためには今年1月から12月に購入する対象医薬品のレシートや 領収書を保管しておく必要があります。

 

注意点は、今回の特例と従来の医療費控除を同時に利用することはできないことです。

 

両方使えるケースでは、どちらが有利になるかを判断し、自分で選択適用することになります。

(執筆:古舘)

2017年 税制改正大綱

2017年の税制改正大綱が発表されました。

https://www.jimin.jp/news/policy/133810.html  

この大綱がそのまま法案として可決されることになります。

多くの人・会社(中小企業)に影響がありそうな部分を、独断と偏見でお伝えします。

 

【所得税・住民税】配偶者控除、配偶者特別控除の見直し(平成30年分の所得税、平成31年度分の住民税から)

配偶者控除を見直し、配偶者の年収上限を103万円から150万円に引き上げられます。

150万円を超えても201万円以下までは段階的に縮小しつつも控除が受けられます。

ただし、世帯主の年収が1220万円以上は控除が受けられません。

 

【所得税・住民税】積立型NISA(平成30年分の所得税、平成31年度分の住民税から)  

 

毎年40万円までの投資から得られる売却益などを、20年間の所得税・住民税は非課税となります。

現行のNISAは、投資上限が年120万円、5年計600万円分の投資が非課税です。

新制度の積立型NISAは計800万円分が非課税になります。

これは現行のNISAと積立型NISAとの選択適用になります。

 

【法人税】所得拡大促進税制の拡充

所得拡大促進税制とは、従業員に支払う給与が一定額以上増えていたら税額控除が受けられる制度です。

中小企業は前年度比で2%以上賃上げした企業の減税枠を広げます。

現行10%の税額控除から、雇用者給与等支給増加額×22%(中小企業)までの税額控除が可能になります。

 

【法人税】中小企業者等の軽減税率の特例の延長(平成31年3月31日以前開始事業年度まで)  

中小企業者等については、法人税率15%(課税所得800万円以下)の軽減税率が2年間延長されます。

 

【固定資産税】タワーマンションの税額計算見直し(平成30年度から新たに課税される建物から)  

20階以上(高さ60m超)のタワーマンションについて、固定資産税を高層階ほど増税、低層階ほど減税となります。

現行制度は、床面積が同じであれば階層にかかわらず、固定資産税額は同額です。

 

身近で影響がありそうな改正項目は以上です。  

 

今年の改正は配偶者控除の見直しが目玉とのこと。

しかしながら収入によっては社会保険の加入義務が生じたり、ちぐはぐな部分も。。

 

この先、社会保障制度を改正する余地もあるのではないでしょうか。  

(執筆:渡辺)

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